2年理数科 サイエンスリサーチ(神戸研修)

公開日

令和3年12月21・22日(火・水)に1泊2日で、サイエンスリサーチ(神戸研修)を行いました。今進めている課題研究で取り組んでいるジャンルや、興味のある施設等をもとに班に分かれて事前学習を行い、各班で1枚のプリントにまとめ、研修に臨みました。

事前学習の様子

1日目

エア・ウォーター 国際くらしの医療館・神戸、甲南大学 フロンティアサイエンス学部、明石海峡大橋 橋の科学館・舞子公園プロムナードを訪問しました。

エア・ウォーター 国際くらしの医療館・神戸

機構の担当者の方による神戸医療産業都市についての説明をしていただき、エア・ウォーターの担当者の方による歯髄再生治療や最先端の医療器具が見られる展示室を案内していただきました。細部まで鮮明に映る8K映像技術と、手術で使用する器具を実際に触らせてもらい、進化し続けている医療技術の高さに圧倒されました。

*歯髄再生治療とは…虫歯になったとき、通常は歯の神経(歯髄)を抜いてセメントなどの人工物を詰める治療が行われます。歯髄再生治療では、神経(歯髄)を抜いた歯に人工物を詰めるのではなく、抜いた神経(歯髄)から歯髄幹細胞を培養し、移植することで神経(歯髄)を再生させる治療です。

神戸医療産業都市についての講話
エア・ウォーター 歯髄再生治療の説明
滅菌センターで医療器具の洗浄やメンテナンスの様子を見学

甲南大学 フロンティアサイエンス学部

甲南大学フロンティアサイエンス学部についての説明を受けた後、化学実験講座「化学反応を利用した樹脂の導電化処理」と生物実験講座「酵素反応を利用した模擬血糖値の測定」の2講座に分かれて受講しました。大学施設や研究室の見学では、大学でどのようなことを研究し、発展させていくのかがわかり生徒たちにとって大変良い刺激になりました。

甲南大学フロンティアサイエンス学部についての全体説明
化学実験講座「化学反応を利用した樹脂の導電化処理」
生物実験講座「酵素反応を利用した模擬血糖値の測定」

明石海峡大橋 橋の科学館・舞子公園プロムナード

橋の科学館では、風・潮流・地形などの自然条件や、漁船などが航行する厳しい建設条件の中でどのように本州四国連絡橋が建設されたのかを学びました。
プロムナードでは、回遊式遊歩道を散策しました。ガラス張りの床面から約47m下の海面を覗いたり、橋の構造を間近で見たりしました。

橋の科学館館長さんより展示物案内
強風で生じる揺れをどのようにして抑えているのか装置を動かして確認しています
潮流の様子を観察しています
橋からの夕日がきれいでした

2日目

兵庫県広域防災センター、Spring-8、SACLAを訪問しました。

兵庫県広域防災センター

まず、兵庫県広域防災センター田中健一さんより「大災害を乗り越えるための心構えと行動~このコロナ禍をどう切り抜けていくか~」という防災リテラシーのガイダンスを受けました。災害時に人にどのようなバイアスが働くのか、どれだけ危機管理(先読み)をすることができるかの話をうかがい、防災に対する正しい知識を持ち、適切な行動をとる力を身に付けることの大切さを改めて感じました。また、起震車による地震体験と煙避難の訓練も体験させていただきました。

防災は決して特別なものではないことを教えてくださいました
【煙避難体験】煙(訓練のため水蒸気)が充満した部屋から避難するのは難しかったです
火災発生時の避難の仕方を教わりました
【起震車による地震体験】家具にしっかり掴まっていても体がもっていかれそうでした

Spring-8、SACLA

大型放射光施設Spring-8とSACLでどのような研究が行われているのか、それが世界にどう貢献しているのかを学びました。また、Spring-8とSACLAの施設内の見学をさせていただき、世界一の性能を誇る加速器を目の当たりにしました。ちなみに加速器がある部屋は本来立ち入ることができませんが、運転停止期間中のため今回特別に入らせていただき、端から端まで歩かせていただきました。世界的にみるとコンパクトな装置から強力なX線が作り出されていることに大変驚きました。

最後にSACLAの研究員の方から「SACLAの研究者としての道」の講演をしていただきました。研究者という立場の方から直接お話を伺う機会は少ないため、みんな興味津々で話を聞いていました。

【Spring-8】
【SACLA】加速器の見学
【SACLA】 X線を生み出す装置の見学

1泊2日ではありましたが、とても内容の濃い研修となりました。現在、事後学習を行っており、この研修で学んだことを他学年に還元しています。

SACLAの研究員の方の講演の中で「研究者は、ハマった自分の興味で社会貢献する仕事。自分の興味を極めたい人には、最高の職業」とのお話がありました。私たちも自分の興味のあることを突き詰めて、自己さらには他者の人生を豊かするために様々なことを学び社会に貢献したいと思います。
今回研修先としてお邪魔させていただいた施設・大学の皆様、お忙しい中、ご対応いただき本当にありがとうございました!

関連記事