茶華道部では、毎週金曜日に華道の小味山幸祐先生(池坊)の指導のもと、お花を生けています。
11月4日のお花はガーベラ、スプレーカーネーション、野バラの実、ニューサイランです。
初めて野バラの実に挑戦しました。大輪のピンクのガーベラを主役にスプレーカーネーションもピンクで統一し、全体的に柔らかな雰囲気の作品に仕上がりました。ニューサイランの特徴であるまっすぐな葉には直立性があり、細長く美しい姿が作品を引き締めてくれます。葉を生けるときは剣山に刺しやすいように水平にカットし、V字型に折ります。正面に向かって平たく生けることはしません。漢字では「入才蘭」や「新西蘭」と書きますが蘭の仲間ではありません。原産地のニュージーランド(新西蘭)の国名と区別するために多くは「入才蘭」やカタカナを用いるようです。
11月11日のお花は宿根アスター、シャリンバイ(果実)、タラスピ(ナズナ)、リキュウソウです。
えんじ色の宿根アスターとシャリンバイが秋の深まりを感じさせます。宿根アスターと呼ばれるものは一般的に「ミカエルマス・デージー」と呼ばれる華やかな色合いの花を咲かせるものと、「孔雀アスター」の名で総称される小さな花が無数に咲くタイプのものなどがあるそうです。シャリンバイの果実はブルーベリーによく似ていますね。ナズナ(タラスピ)と呼ばれる植物には数種類あって、最近は切り花として輸入のナズナ(タラスピ)が出回るようになりました。切り花として流通する際にはタラスピという学名で呼ばれることが多いようです。タラスピの茎に連なるようについているグリーンの平たく丸いものは葉ではなく種子。リキュウソウの葉の緑と共に、えんじと藍色の強いコントラストを和らげてくれます。
11月25日のお花はスプレーカーネーション、スプレーストック、トルコキキョウ、ハランです。
花の名前で使われる「スプレー」とは、しぶき状(放射状)に枝分かれした花のことです。スプレーカーネーション、スプレーストックのどちらも枝分かれの部分からいくつもに切り分けて生けています。ハランのような広くて大きな葉は、切り分けたり緑色のホッチキスや両面テープなどでカールさせたりして楽しむことができます。毎回同じような花器を使用しているので今回は花器にも変化を付けました。カールしたハランと花器の形から、帆が風をはらんで海原を滑っていくような作品に仕上がっています。トルコキキョウの茎の長短によっても作品の表情が変わります。カーネーションのピンク色をスプレーストックの淡い色の陰に隠すことでカーネーションが際立つことも学びました。カスミソウが他の花を際立たせるベールのような役割を担っているのと同じ原理だそうです。