理数科サマーセミナー

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 8月2日(月)、5日(木)にキャリア教育の一環として1年生理数科サマーセミナーを行いました。例年、大学や企業を訪問して講義や実験などを体験させていただいていますが、今年は新型コロナウイルス感染症のため、オンライン講義など本校で研修を受けました。

1日目

 午前は大学の先生から講義を受けました。
 初めに近畿大学産業理工学部の岡先生から「未来を拓く材料科学~ゼリーを使った有害物質の簡単除去など~」の題目でオンライン講義を受けました。

 次に近畿大学産業理工学部の松本先生から「石鹸(界面活性剤)の合成と性質」の題目で講義を受けました。界面活性剤(石鹸)の分子構造から水と油のそれぞれになじむ部分の説明を受け、石鹸が油を包み込み汚れを落とす仕組みなどを詳しく学びました。

 午後は、午前中に松本先生から受けた講義から「石鹸の合成と性質」の実験を行いました。
 ココナッツオイルを用いて実際に石鹸を作り、出来立ての石鹸を使って泡立ちと洗浄作用を調べました。

 ココナッツオイルなどが入った溶液を加熱し、クリーム状になる様子を観察しています。

 出来た石鹸を用いて濃度による泡立ちの違いを観察しました。その後、石鹸水に色素を加え石鹸水への着色の度合いを観察しました。

2日目

 北九州市若松区にあるシャボン玉石けん株式会社さんのオンライン工場見学を本校で行いました。
初めに石鹸の歴史や石鹸と合成洗剤の違いとその見分け方などクイズや実験を交えた講義を受け、その後に工場見学を行いました。実際に石鹸を焚いている窯の中の様子や石鹸の状態、石鹸の加工、外から見た油の貯蔵タンクの様子など、さながら現地で見学しているようでした。

成型する前の出来立ての石鹸です。オンラインで工場の作業工程などの説明を受けました。

 最後にシャボン玉石けんさんから講習を受けた、石鹸と合成洗剤の違いをお酢を使って見分ける実験を行いました。

 大学の先生からの講義では、研究室での実験の様子や取り組んでいる内容などを話していただき、最新の自然科学について学ぶことが出来ました。また、普段何気なく使っている石鹸や洗剤について、企業で行っている研究内容を知ることができ、その原料一つを考えてもとても奥が深いことが感じられました。
 普段の学習の先にこれらの研究があることがわかり、2日間の研修は有意義な時間になりました。

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