福岡県立鞍手高等学校全日制課程

SGH 京都研修(2年人間文科コース)

2015年09月01日更新

8月3日(月)~5日(水)、2年生人間文科コース40名が2泊3日の日程で京都研修に行ってきました。

2年生人間文科コースでは、東南アジア地域に関する研究を行っています。今年度は、研究対象地域をシンガポール・マレーシアとし、それぞれの国における「人口問題」「資源・エネルギー問題」「労働問題」「地域活性化」について研究を進めています。12月には実際にシンガポール・マレーシアに40名全員が赴き、現地での聞き取り調査や、研究に対するプレゼンテーション等を実施し、多様な価値観に触れながら研究論文としてまとめていく予定です。今回の京都研修では、地域研究に対する視座を養うことを目的としています。

一日目 外国人インタビュー(京都の魅力・日本の魅力に関する聞き取り調査)

12月に実施する海外研修においても、現地で聞き取り調査を実施します。その事前研修として京都を訪れる外国人に京都の魅力や日本の魅力についてインタビューを実施しました。もちろん英語を使ってのインタビューですが、始めは緊張してうまく話せなかった生徒も、次第に身振り手振りを交えながら、積極的にインタビューするようになりました。

二日目 東南アジア研究とその手法について学ぶ

講義担当者:京都大学地域研究統合情報センター 西 芳実 准教授
○講義1「スマトラ大津波が繋いだ世界」~地域から世界を見る目を鍛える~
○講義2「映像から読み解く東南アジア」~マレーシア・シンガポール~
○研修 「東南アジア研究所図書室訪問」

 

午前の講義は、災害から考える地域と国際協力について講義をしていただきました。現代のグローバルな社会において災害のもたらす影響は、災害が起こった地域だけではなく、様々な形で国境を越えて現れてきます。西先生は「災害から地域や世界を見る」とはどういうことなのかについて二つの災害対応を例に挙げながら説明されました。「災害が何をもたらしたのか」について真摯に地域と向き合うと様々なことが見えてくるということを実感しました。地域研究においては、現場の状況だけで判断するのではなく、地域の歴史や文化を踏まえながら、課題を読み解く力が必要であるということを改めて認識することができました。

 

午後の講義は「映像から読み解く東南アジア」ということで、マレーシアの劇映画作家として国際的に知られるヤスミンアフマド監督の制作した映像をもとに講義が展開されました。作品の中に描かれるマレーシアやシンガポールの人々の様子を見ることや、そこに潜む社会課題を探ることは、マレーシアやシンガポールの研究を始めたばかりの生徒にとっては非常に興味深いものでした。短い映像を通してもそこに様々な「気づき」や「発見」があり、生徒は面白さを感じていました。「読み解く」レベルに達するには、まだまだ勉強が必要であることや、「目を鍛える」ということの必要性を生徒も実感したようです。

東南アジア研究所図書室での研修

午後の講義の後に、京都大学東南アジア研究所図書室を訪問し、図書室についての説明を受けました。生徒は東南アジアに関する様々な書物に触れ、その蔵書の多さにただただ驚くばかりでした。日頃からインターネットの情報に頼りがちな生徒にとっては、じっくりと文献と向き合う、一次資料に触れることの大切さを知る良い機会となりました。また、大学での専門的な学びに興味を持った生徒も多く、大変貴重な経験となりました。

 

講義の振り返り

宿泊先では講義の振り返りを行いました。京都大学地域研究統合情報センターでの講義の概要、印象に残った言葉、今後の課題研究にどのように活かしていくかについて、クラス全員で共有しました。「私たちは異質な他者と地続きで繋がっている」という京都大学の西先生の言葉は、12月に実際に海外研修に行く生徒にとっては、強く印象に残ったようです。異文化に飛び込んでいくことに対して不安もあるようですが、「早く実際にシンガポール・マレーシアに行ってみたい」という声も多く聞かれました。今回の講義を通して地域を見る「目」が、講義を受ける前と比べて確実に変化しています。

 

三日目 大徳寺訪問

地域研究を進める上では、その地域の歴史や背景を知ることが重要になってきます。歴史と地域の実情との繋がりを見る「目」を養うために、今回は大徳寺を訪問し、大徳寺宗務総長の戸田実山御住職より色々なお話をうかがいました。戸田さんは本校の卒業生であり、生徒にとっては大先輩にあたります。先輩から語られる歴史と今を繋ぐ話に、生徒は興味深く耳を傾けていました。